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自作キーボードの親指シフトレイアウト説明【仮:Octopus配列】

なぜこのレイアウトか

前回までは、自作キーボードを作製し、自作キーボードの親指シフト対応のキー配列設定方法について書きました。今回はどうしてその配列(仮称:octopus配列)にしたか書こうと思います。今回はBaseのレイヤーしか変えていませんが、追々はLowとRiseのレイヤーもカスタムできればと考えています。

キーごとの説明


まずは一番オーソドックスなQWERTY配列の部分です。ここはDvorakで親指シフトを行うため、なにも変更を加えていません。


ただし、この2つに関しては、省略せずにいれることにしました。なぜかというと、日本語表現でよく使う読点「、」が@にアサインされるためです。「-」にアサインされるアンダーバーは必要ない気がしたのですか、なんとなくいれています。濁点、半濁点は親指シフトではそもそも後からつける必要がなく、¥記号も使わないと考え省略しました。


次に肝心な親指シフト用には、無変換とスペースを割り当てています。左親指にスペース、右親指に変換も考えられたのですが、利き手が右なので頻用するスペースは右のほうがいいだろうということと、漢字はスペース変換ですぐでてきますが、F7キーを削っているので直接カタカナ変換ができないため、無変換でカタカナ変換ができるほうが便利だろうと考えこの組み合わせにしました。


バックスペースとデリートは親指の方が小指を伸ばさなくても簡単に消せていいなと思ったからです。


この部分は特に何も考えず、通常の配列と公式の配列をもとにあてはめました。ただしctrlに関しては通常のキーボードを使っている人もCaps位置に入れ替えている人が多いと聞いたのでそのようにしています。


アルファベットを使うときは、基本的に半角文字を使うので、全角半角の変換が行いやすいように、全角半角キーをBaseレイヤーに残しました。また、日本語あるあるだと思うのですが、半角で英数を打ったつもりが、カナ打ちで意味のわからない文字列を打っていということが頻繁に発生します。その時はいつもF10キーでカナから英数に変換しているので配置しました。

今後も変更していきます


今後実際に使ってみて、不都合を感じたり、もっと便利なキーレイアウトを見つけたら積極的に変更していこうと思います。

自作キーボードで親指シフトを設定する方法【Helix】

自作キーボードでカナ打ち

私は今どき珍しくローマ字入力ではなく、カナ入力を使用しています。そこに大きなこだわりがあるかといえば、ただ小学生のころに覚えたのがカナ入力だったからというだけの理由です。タッチタイピングを覚えているわけでもないので、入力速度は遅いほうだと思います。そこで、自作キーボード作製を機に、親指シフトを覚えます。

自作キーボードと親指シフトの親和性

親指シフトは通常のキーボードを用いて行われることがほとんどです。親指シフト専用のキーボードもありますが、普及しているとは言い難く使っている人はほとんどいないのではないでしょうか。いま親指シフトをされている人は通常のキーボードとキーリマップソフトを用いて親指シフト環境を構築しているはずです。しかしながら、当然通常のキーボードは親指シフト用に作られているわけではないので、親指シフトに割り当てるスペースや変換キーの大きさが違い、キーボード自体の配列も非対称なため、手首を少しひねる必要があり快適な環境ではありませんでした。
一方で自作キーボード、特にHelixではシンメトリーかつ格子状にキーが配置されています。また、親指シフトのためかと思わせるように親指部分だけキーが2つ追加されています。これを見て親指シフトを習得する時が来たのだと思わされました。

キーボードのマップをUS配列からJIS配列にする

まず、qmk.toolboxで動作を確認しただけの状態では、キーボードはUS配列で親指シフトにそのまま移行することができません。そこで、ファームウェアの書き込みを行います。ここからqmk_firmwareをダウンロードし、解凍します。次にqmk_firmware_master/keybords/helix/rev2/keymapsをひらきます。five_row_jisをコピーして新しくフォルダを作って名前をつけてください。私はここで仮にoctopus配列と命名します。five_row_jisはhelixでjis配列を使える素晴らしいファイルなのですが、そのままでは親指シフトを使用することができません。そこで、新しくコピーしたフォルダを開き、keymap.cをエディタで開きます。


77行目からのこの部分で基本となるBASEのキーマップを設定しているので切り取り次の設定に変更します。

書き換えられたら、保存します。
次にmsys2をここからダウンロードしましょう。Msys2の64bit版はmsys2-x86_64です。Msys2を起動後、先程解凍したqmk_firmwareのディレクトリに移動してください。”cd フォルダのパス”を打ちこんでください。ディレクトリを移動するという意味がわからない場合はここを見ればよいでしょう。

ディレクトリ移動後、上記のように打ち込みインストールします。インストール時はすべてyesを選択すれば大丈夫です。

次に作製したファイルをキーボードに書き込みます。私はファイル名をoctopusにしましたが、自分の作製したフォルダ名をうちこんでください。


実行して、この画像の最終行にあるようにresetボタンを押すように表示されたら、キーボードのリセットボタンを押して完了です。この作業を左右両方さしかえてすることでキーボードにJIS配列を書き込むことができます。

Windowsの設定変更

次にWindowsのキーボード設定をUS配列からJIS配列に変更します。HelixはUS配列を想定して作られているため、接続しただけではUS配列として認識されてしまいます。コントロールパネルから時刻と言語→地域と言語→日本語→オプション→レイアウトを変更する→日本語キーボードを選び再起動しましょう。これで、今後Helixを接続した際JIS配列のキーボードとして認識されます。

DvorakJのインストール

次にDvorakJをインストールします。これは、キーリマップソフトなのですが、簡単設定などもあり、とても使いやすいです。インストール後簡単設定より以下の設定にします。


この通りに設定した後、反映することで自作キーボードのHelixで親指シフトができるようになっていると思います。

うまくJIS配列になっていない人は

キーに不具合がある人は以下を確認してみてください
・Helixの入力がWindowsになっているか
  Adjustを押しながらWindowsモードをおすことでWindowsになります。また、OLEDをonにしている人は、左手側のOLEDにMacモードならリンゴが、Windowsモードなら窓の絵柄が表示されます。
・LayerDriver KORがはいっていないか
  こちらに大変わかりやすく説明されています。私も散々悩んだのですが、これを削除することで「全角/半角」が「ろ」と認識されてしまう問題を解消できました。

電子工作初心者がおくる自作キーボード制作ガイド【Helix】 後編

前回からの続き

前回はソケットの実装まで行いました。今回は、OLEDにピンを挿すところから始めます。


この四本脚のピンをOLEDの裏側から挿し、表側をはんだづけします。


このような感じではんだ付けできましたか?


さきほどの足の部分をソケットに差し込むことでOLEDを取り付けることができます。


次にアクリル板をPCBにのせ、キースイッチを実装します。アクリル板は傷がつかないように保護シールが貼ってあるのでめくります。


少し見えづらいですが、PCBの上にアクリル板をのせたところです。


アクリル板とPCBにキースイッチをはめていきます。向きは凸の部分が下にくるようにはめていきます。キースイッチのサイドに有るツメをカチッとなるまでしっかりとめます。


このように全てはめることができたら、裏返してはんだ付けをします。


一つのキースイッチにつきこの二箇所をそれぞれはんだ付けしていきます。


次ははんだ付けがうまくいっているか動作確認を行います。左右のキーボードをつなぐためにステレオミニプラグを買いました。両手幅あればいいだろうと思い0.5mにしました。


実際に左右を接続し、USBをPCに接続します。動作確認はここのページを参考に行いました。


ここからQMK Toolboxを落とします。色々とファイルがありますが、実行ファイルであるqmk_toolbox.exeを落とせば良いと思います。
ここで説明されているようにloadボタンを押してもエラーがでるので、hexファイルをダウンロードしました。しかしながら、私の環境ではダウンロード後もエラーが出ましたが無視して続行しても無事動作確認できました。
Helixのリセットボタンを押してQMK toolboxのFlashをクリックするのですか、うまくいきませんでした。リセットボタンを連打するといいということだったので、連打しながらFlashを押すことで私もうまくいきました。右手のインストール後左手も同様にインストールしました。動作確認に移る前に注意してほしいのですが、USBは左手に挿すということです。最初右手に挿していたのですが、キーボードが反転してしまい大変悩んでしまいました。
検索窓でどんどんキーを押していくと、反応しないキーができます。そのキーははんだ付けうまく行っていないということなので、ハンダが他の部分にはみ出していないか、また、少なすぎないか確認し、適宜調整してください。ちなみに私は右手に2個、左手に3個反応しないキーがありました。。。。。
すべてのキーが反応することを確認したらスペーサーの取り付けに移ります。


OLEDのスペーサーはサイドが滑らかな円柱です。
これを表に置き、裏からネジで止めます。


このように両手側を裏からネジ止めできましたか?


次に保護用のアクリル板をとめます。この時に、OLEDを保護しているシートをとってしまうといいと思います。青いところからきれいにはがれます。ネジは黒い頭がフラットなものを使用して上から止めてください。右が保護プレート装着前、左が保護プレート装着後です。


次に裏面にスペーサーを置いていきます。ロープロファイルを選択したので、六角形の背の低いスペーサーを穴においていってください。この時、片手側には6個しかスペーサーがないのですが、穴は9個あります。赤色で囲った上と下に置き、青色で囲った中段は無視しましょう。


その上からアクリル板を置き、ネジで止めます。スペーサーごとネジが回ってしまっては意味がないので軽く押し付けながらまわすといいと思います。


表側をひっくり返すと先ほどのスペーサーが図の赤い部分に見えていると思うので、ここをまた上下六ケ所ねじでとめます。


裏表止め終わったら、足シールをはります。


最後にキーキャップをはめて完成です。ここで初めて気づいたのですが、キーキャップにもどうやら上下があります。上と下の斜面の長さが違います。いまはめている右のキャップは長い斜面が下で左のキャップは長い斜面が上になっています。私はすべて長い斜面が下に来るようにキャップをはめました。


これで完成です!!!!!!!!
下段を白と黒のまだらにしたのはなんとなくおしゃれな気がしたからです!
今後はOLEDを使えるようにするため、ファームウェアを書き込んだりしていきます!
とりあえずキーボードとして使える形になりました。
初心者でも使えるキーボードを作ることはできます。ぜひかっこいいキーボード作りましょう!

電子工作初心者がおくる自作キーボード制作ガイド【Helix】 前編

自作キーボードへの憧れ

自作キーボードってかっこいいですよね。縦横に整然と並んだシンメトリックなキーにやられてしまいました。欲しいと思ってから、分割型でオルソリニアなキーボードの完成品を探したのですが、「自作キーボード」というだけあって、自分で作るタイプのものしか見つけられませんでした。そこで、一念発起して作ってみることにしました。
キーボードを打つのがものすごく早かったり、こだわりがあったりするわけでもなく(キーボードを買ったのもこれが初めてです)、電子工作も中学生の時にはんだ付けをしたことがあるくらいの私がお送りする自作キーボート「Helix」の作製記録です。電子工作初心者で購入に踏み出せない方はぜひ参考にしてください。また公式推奨のビルドガイドがこちらにあります。大変丁寧なのですが、一部初心者には難しい部分もあるので、本記事と読み合わせながら作っていただくとスムーズに作製できると思います。

用意するもの


みなさん自分でダイオードを買ったり、アクリル板をくり抜いたりしているようですが、そこは初心者なのですべて揃ったキットを購入しました。遊舎工房さんのアクリル五行版の両手キットです。また、キーボードを光らせることに魅力を感じなかったので、Underglowタイプにしました。このキットにはキースイッチとキーキャップが含まれていないため、別途Kailhロープロファイルスイッチ(赤)とKailhロープロ無刻印キーキャップを購入しました。それぞれ7セット購入すれば5行を埋めることができます。また、左右のキーボードをつなぐためのステレオミニプラグとPCと本体をつなぐmicro USBケーブルが必要です。


また、はんだ付けに必要な工作器具を持っていなかったので、Amazonで購入しました。はんだゴテからピンセット、テスターまで揃っているので、これひとつで自作キーボード製作に関しては十分でした。

電子工作初心者による製作


では、まずはじめにOLEDのを使用するためのジャンパを行います。ジャンパって意味わらないですよね?赤枠で囲った部分の上下ををそれぞれはんだでつなぐことをジャンパというらしいです。


写真のようにそれぞれ独立してつなぐことはできましたか?


ジャンパができたらPCBを裏返し、ダイオードを実装していきます。赤枠に囲まれた部分を五段すべて行います。ここで問題が生じます。人間には腕が二本しかありませんが、ダイオードをつまんだピンセット、はんだ、はんだゴテを持つために腕が三本必要になってきます。


そこで上の写真のように下部に少しだけはんだを溶かしてのせておきます。その後ピンセットでダイオードをつかみ、のせてあるはんだを溶かしながらダイオードを実装します。ちなみに私は実装としいう言葉をはんだ付けするという意味で解釈しています!


ダイオードの向きに注意してください。ダイオードの線が書かれている方が下側になります。ダイオードを片側つけることができたら、ピンセットをハンダに持ち替えてもう片側もしっかりはんだ付けしていきましょう。


ひたすらこの作業を五段、左右続けましたか?この時できるだけ他の金属部分にはんだがもれないようにしてください。はんだづけがうまくできているか動作確認後に修正することも可能です。


次にTRRSジャックを実装します。スター・ウォーズにでてくるAT-ATのような見た目をしています。


これをPCBの表面から挿し、裏面をはんだづけします。この時それぞれ穴が外を向くようにしてください。また、左右で上下の位置が少しずれます。


足の部分をこのようにはんだ付けします。


次にリセットスイッチを表面から挿し同様に裏面からはんだ付けを行います。公式のビルドガイドではリセットスイッチのボタン部分が白でしたが、私に届いたのは黒色でした。


裏面には分かりやすくResetと書かれているのでここに挿さっているか確認してはんだ付けを行ってください。


スプリングピンヘッダをpro microにはんだ付けしていきます。ここで注意してください!一緒にはいっている棒はスプリングピンヘッダではありません!!!!!!!!!! 私はここで失敗してしまいました。私の失敗は後ほどまとめるので続けます。


スプリングピンヘッダは横から見ると棒のようですが、正面から見ると三角形の形にワイヤがなっていることがわかると思います。


金のドットが下にくるようにpro microに差し込み、逆側からはんだ付けをほどこします。


はんだ付けを行うとこのような感じです。


このような形でPCBに差し込みます。この時はんだ付けは行わないことに注意してください。


次にこのソケットをPCBに差し込み裏面よりはんだ付けを行います。


この部分に差し込みます。


そしてこの部分をはんだ付けするのですが、この時pro microやTRRSジャックの方が背が高いため、単に裏返してしまうと穴から脱落してしまい、上手にはんだ付けができません。私は下にちょうどおさまるようにアルミホイルを丸めて支えにしましたが、pro microやジャックを取り付ける前に取り付けてしまうのがよいかもしれません。

ひとまずここまでお疲れ様でした。次はOLEDの実装やキーキャップの実装について説明します。→後編へ